『酔いつぶれて介抱中』 02 : 【side-清里】
「自分が出て行かずに家主を追い出すところが智らしいっちゃ智らしいけど・・・
で?朝っぱらからお前は俺ん家にノロケに来たワケ?」
休日の朝っぱらから俺に叩き起こされ、キッチンに立たされている潤の声音は爽やかな陽気に不似合いなほど低くて凶悪だ。
「そうじゃねえけど・・・ う〜ん・・・、やっぱりそういうことになるんかな?」
「あ゛ぁぁーうっぜー、お前!」
味噌汁の鍋を掻き回していたおタマを手に、心底ウンザリした顔をして潤が振り返った。
今朝、俺は洗面所の固く冷たい床の上で目を覚ました。
相当酔っ払っていても記憶はある。 昨夜、風呂に入って歯磨きして、結局その場で力尽きたんだ。
それはいいとして・・・・・・ なんで智也までそこで寝ていたのかが不思議で。 俺を風呂場まで連れて来た後すぐ部屋に戻ったはずなのに。
俺の腕の中で小さく丸まって寝ている智也の顔を繁々と眺めた。
「おい智、起きろ」
「・・・ん・・・っ、がっ、・・・い゛っででで、、、 かっ、カラダがイテえ・・・」
身動ぎした際身体が軋んだのか、いつもは寝起きの悪い智也が直ぐに覚醒した。
「いって〜〜っ・・・、肩・・・と背中と腰骨と・・・ああ、腕も痺れてる。 痛い゛〜っ!」
「なんでこんなトコで寝てんの、お前・・・」
「はあ? てめ、なんにも覚えてねえのかよ!?」
「覚えてるよ、全部。 風呂入ったあと電池切れしてココで寝始めたんだ、俺。」
「そーだよ、揺すっても蹴飛ばしても起きねえしよ。かと言って俺一人じゃ部屋まで運べねえし。
お前ほんっとタチ悪ぃ酔っ払いだな!」
「いや、だから・・・、なんでお前までココで一緒になって寝てんだって・・・」
と、何の気なしに言って・・・・・・ 追い出された。
それまでの呆れ顔がいきなり厳しい顔に変わり、『出て行け』 と一言。 俺の家なのに、などという抗議ができる雰囲気ではなかった。正に有無を言わせぬな感じ。それほど剣呑だったのだ。
その時はただ驚いて口答えもせず素直に出てきてしまったが、時間が経って冷静になるにつれ疑問は膨らみ、言い様の無い不安が襲ってきた。 こんな怒られ方を今まで智也にされたことがなかったから。
「帰る」
「はあ!? てめ、ヒトにシジミの味噌汁作らせといて飲まずに帰る、だぁ!?」
「お前が飲め」
「俺は二日酔いじゃねえよ!」
振り向きざま、般若の形相で投げつけられたおタマを躱した。 こんな風に、智也もわかり易く激怒してくれたらラクなのに。 単純なようで、智也の地雷は意外とわかり辛い。 ま、潤に対してと智也に対してでは持っている情の種類が違うからだろうが。
「それは本当に申し訳なく思っているよ、潤君。 でも僕も二日酔いというワケではないし、
なにより今すぐ家に帰らなくてはならないんだ。」
「ふん。 『まだ家に入れて貰えない』 に5千点。」
「誠心誠意、謝って謝って謝りたおすから大丈夫だ。」
意地悪く口角を上げた潤に、事も無げに断言してはみたものの・・・・・・
自宅の門前で携帯を凝視したまま数分。 こんなところで突っ立っていても仕方ないと思い切ってコールしたら、予想外にスンナリ電話は繋げて貰えた。 ・・・が、
「・・・もう帰ってもいいか?」
『てめーの家なんだから好きにすりゃいいだろ』
明らかに未だ怒り真っ只中な棘のある声。 冷や汗をかきつつドアを開けると、玄関に智也が座っていた。
(続く)
中途半端なところで切ってスミマセン。
タイム・アップで(苦笑)
中途半端なところで切ってスミマセン。
タイム・アップで(苦笑)
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