『イロイロなイロとイミ』 02 : 【side-清里】
『お前、何色のバラがいい?』
夏物の衣服を取りに珍しく自宅へ戻った智也から電話が入り、開口一番にこう訊かれた。
さて、この問いに瞬時に反応できる男が世の中にどれだけいるだろう?
「バラの・・・色??」
何色がいいもなにも、別にどれだっていいのだが。
『だからー、赤とか白とかピンクとかさー、何種類もあんだろ、色が!』
『例えば俺にくれるとしたらお前は何色のバラを選ぶ!?』
若干キレ気味に畳み掛けられて、
「え・・・、じゃあ、きい ──・・・ 」
”ろ” を言う前に電話はブチ切れた。 呆気に取られている俺の耳に響く不快な通話終了音。
「なんなんだよ・・・」
黄色に深い意味があったワケではない。たまたま目の前にあったバナナの色を口に出しただけだ。
しかしワザワザ電話して訊いてくるくらいだから智也の質問に意味はあったんだろう。そしてアイツが通話をブチ切ったということは、俺が不適切回答をしたと思って間違いない。
「バラ・・・と色の意味・・・?」
花言葉、・・・とか?
俺が花言葉なんか知ってるワケないだろうが・・・。 逆に恐いだろ、知ってたら。
理不尽だとは思いつつも一応ネット検索してみたワケだが。
「”よりによって”、の色を言ったワケか、俺は・・・」
PCのディスプレイの前で頭を抱えて独り言ちた。
数十分後、智也は赤いバラ1本を手にして帰ってきた。
そして、自分の持ってきたものと、ダイニングテーブル上の一輪挿しに飾られているものを見比べた。
「へぇ・・・、もしかしてお前、意味調べてワザワザ買いに行ったん?」
「あんな風に電話切られて平然としていられるほど神経太くないんでね。」
「コレはなんて色? 赤・・・とはちょっと違うみたいだけど?」
「紅色っつうの、紅色! そこんとこちゃーんと区別してくださいよ!?」
「そんなに力込めるほど変わんねえじゃん・・・」
「全っっ然違う!」 (参考 赤 紅)
ま、俺的には赤を贈ってもよかったワケで、本当はここまで違いを強調しなくてもいいのだが・・・。
「で?意味は?」
「ご自分で調べてください。」
「教えてくれりゃいいじゃん。」
「ヤダ」
「じゃあPC貸して。ネットで調べてみる! ”ベニ色” だっけ??」
妙に嬉しそうな顔をして、小走りで智也が部屋に向かった。
調べるサイトによっては同じ色でも花言葉は微妙に違う。 智也がドコをどのように調べるのかは知らないが、紅バラの花言葉は大体何処も似たようなものだった。
なんか、バラ一輪でご機嫌は取れたみたいだったけど・・・。 この後はきっと憎まれ口をたたきながら戻ってくるんだろうな。 その時の表情まで想像できるからオカシイ。
「相変わらずこっ恥ずかしいヤツだな。」
暫くして予想通りの台詞と表情で智也が部屋から戻ってきて、ソファーにいた俺の隣に座った。
「赤も割と恥ずかしいイミだろ?」
「俺は姉貴んトコから適当に持ってきただけだし・・・」
「あっそ」
「でもあの色貰ったらさー、俺がキヨのことナンとも想ってないって言われてるみたいなんだけど?」
「てことは、想ってくれてんの?」
「ま、黄色ってことはねえよ。」
「可愛くねーなー・・・」
「カワイイ方がいい?」
「そりゃそうだろ」
『じゃあさ・・・今度は』
甘ったるく微笑みながら智也が俺の首に腕を廻してきて ───・・・
「俺も赤いのが欲しい・・・」
甘ったるい声で囁きながら耳に口付けた。
ああ、花もたまには悪くない・・・
+++ end +++
紅色の方がニュアンス的に重い感じがしたので、
キヨには紅色を買わせました(笑)
紅色の方がニュアンス的に重い感じがしたので、
キヨには紅色を買わせました(笑)
※バラの花言葉は文献によって違いますが、このお話の中では
『紅色』 死ぬほど恋焦がれています
『赤色』 あなたを愛しています
『黄色』 薄らぐ愛
という意味で使っています。 実際は色々な解釈がありますから、上記の意味はあまり気にしないで下さいね。
back|Players TOP
まあよかったよ、と言う方は
ポチッと押してやって下さい♪



