『ネザーランドドワーフ』 08
急いだので、あとでチョコチョコ修正するかもしれませんが、取り合えずUPー(苦笑)
翌朝、携帯のアラーム音で目が覚めた。
最近アラーム設定時刻の15分前に起きるのが定着しつつあった俺が、見事に寝過ごしたわけだ。
ふと隣を見遣ると、いつもなら確実に夢の中のはずの小杉君の目が開いていた。
「おはよ・・・ 目覚まし前に起きてたの?」
「気力で(?)起きてみた。 だって鼻摘まれるのヤだもん。」
「俺も起こしてくれればよかったのに・・・」
「なんとなく勿体無くて。 八神さんの寝顔見れるのなんて、滅多にないから・・・」
可愛気のあることを言いながら、俺に身体を摺り寄せて首筋に顔を埋める。
いつもは澄んでいる彼の声が、痛ましい程に掠れているのは寝起きの所為だけではなくて。
それがまた俺の罪悪感を刺激する。
「・・・怠くない?」
「怠いよ。 ムチャクチャだよ、八神さん・・・」
少し身体を起こし俺の顔を見下ろしながら、不貞腐れたように頬を膨らめた。 でも本気で非難しているわけではなく、瞳は揶揄いの色を帯びている。
俺は昨夜、彼の制止も聞かず、強引に寝室に引きずり込んで滅茶苦茶に彼を抱いた。
俺の様子がおかしかったのは彼もわかっている。 苛ついた感情に任せて彼を抱いたこともわかっていると思う。
それなのに彼はそれを咎めない。
彼の寛容さに俺は甘えてしまっている。 前野の苦言の本源は間違いなくそこだ。
「天罰かな。 俺も怠くて動けない。」
「動けない??八神さんが!? 珍しいーっ、天罰だ〜♪」
「てことで今夜は小杉君に頑張って貰わないと。」
「・・・そこでそのセクハラ発言かよ。 てか、俺も怠いんだっつーの!」
俺の胸を軽く叩き、唇を尖らせた愛らしい表情は、沈んでいた心持ちを浮上させてくれた。
『起きなきゃね』 と二人して繰り返しつつも、温もったこの場所から出ることを身体が拒否する。
添うように横たわっていた彼を腹上に引き上げ、ふっくら艶々の唇を食んだり吸ったりで遊ばせて貰い、擽ったそうに身を捩る彼の肌をしつこく撫で回し・・・と、情欲点火スレスレのじゃれ合いで和んで(?)いたのだけれど。
突然彼が俺から身体を浮かせ、この安らぎ(?)の真っ只中で一番思い出したくない人物の話をし出した。
「ああ、昨夜ね、階下で八神さんの悪友ですって人に遇った。 えーと、前野さんだったっけ?」
前野の忌々しく鬱陶しい顔が頭に浮かぶ。 不愉快で露骨に顔を顰めてしまったのは俺も些か大人気ない。
「・・・何か、言われた?」
「俺の顔見るなり 『もしかして君が小杉君!?』 って。 エントランスでだよ??
すっげーデッカい声でさぁ〜・・・、身体はおっきいし、迫力あってちょっと恐かったよ。」
確かに、あの大男に出会い頭で (しかもあの大声で) 話しかけられたら相当恐いだろう。
このマンションの住人は割と年齢層が高く、若い人間の出入りが稀だということは前野も知っている。
昨夜小杉君が部屋に来ることも知っていたから当てがついたのだろうが、無茶なことをするものだ。
今に通報されるぞ・・・ ではなくて。
「他は? 他には何か言われた?」
「んー・・・? んー、まぁ・・・」
「なに?」
「『我慢してやってねー』 って。」
「なにをだよ・・・」
「『デッカい子供の相手は大変だろうけど』 って。」
「相変わらず馬鹿なことを・・・」
「でも、結構当たってるかも?」
「そのデカい子供に啼かされちゃうんだよね、小杉君は。」
「発言はただのエロオヤジなのにねぇ〜・・・」
最近の俺の言動と感情の起伏の激しさは確かに少々子供染みている。
その自覚はある、が・・・
「アイツに言われると腹が立つんだよ・・・」
「え・・・?」
身体を反転させ小杉君をベッドに縫いつけてから、キョトンとしている彼の目を見据えて言い含めた。
「俺は、 気まぐれで君と付き合ってるワケじゃないから。 ペットだなんて思ってない。」
「あのヒトに・・・そう言われたの? それで怒ってたの?ケンカしちゃった??」
「俺の気まぐれに付き合わせるなって・・・ 叱られたよ。」
「八神さんを叱るなんてスゴイ人だよね。」
「前野だけじゃなくて、君も前に似たようなことを言ってただろう? だからかなりヘコんだんだ。
でも、 俺はほんとに、そんなつもりじゃないんだよ。 それだけはわかって欲しい。」
少々演技懸かった哀訴に微笑んで、彼は宥めるように俺の背中を撫でる。
睦言として軽く処理されても困るのだが、『情に訴えるなら閨房で』 は基本である。
そして今この場の雰囲気は悪くない。(朝だが) 俺は出せ得る限りの甘い声音で語を継いだ。
「俺はね、 君が好きなだけなんだよ」
「・・・うん。」
「俺を 信じてくれる?」
「うん。 信じるよ。」
「じゃあここに住む?」
「それはイヤ。」
おい。 この流れで言ったらそこは 『うん』 じゃないのか!?
一寸の迷いもナシかよ。 どうあってもそこはキッチリ線を引きたいワケか。 ・・・ああムカつく。
「そこで舌打ちしないでよ、もう・・・
ねえ、せめて俺がガッコ卒業して自立できるまで待ってよ。
気まぐれじゃないんならそのぐらい待てるでしょう??俺間違ってる?」
「間違ってない。」
「でしょ?」
「小杉君がオトナに見える。」
「成人してます、これでも。」
「知ってるよ。毎晩実演して貰ってます。」
「だーから、そこでそういうエロオヤジ発言はしなくていいのっ!」
くだらない発言で誤魔化しでもしないとバツが悪くて仕方ないんだ、とは受け取って貰えないものだろうか。
まったく・・・ 宥めても駄目、賺しても駄目、強硬手段も取れないのだから、もう俺には手がない・・・ かも?
「わかった。わかりました、負けました。 もう無理は言わないよ。」
「勝ち負けの話じゃないでしょうに・・・」
「ただ・・・」
「ん?」
「ハブラシ・・・ 歯ブラシ一本ぐらい部屋に置いておかない?
お泊まりセットとか毎日持ってこられると凄くヘコむんだけど。」
「はは、わかりました。置かせて貰います。 てか、細かいよ、八神さん。」
細かいは余計だ。 ああ、それとね、俺は ───・・・
負けたままでいるのが何よりも嫌いなんだよ、小杉君。
「あと・・・」
「まだなんかあるの!?」
「今度から、毎朝30分早く起こすからね。」
「ええーっ!?なんで!?」
「慌しいの嫌なんだよ。 いつもロクに会話もできないじゃないか。」
「なにそれ・・・ 新婚さんみたいなこと言わないでよ・・・
大体、夜に八神さんがさ、 話をする前に・・・・・・」
「する前に?」
「・・・・・・んー・・・まあ、それはどうでもいいけどさ。 で?起きれなかったらどうなんの、俺?」
「鼻摘むだけじゃ済まないよ。」
「・・・なにすんの?」
「逮捕監禁。 その日一日ベッドに縛り付けて何処にも行かせない。」
「犯罪じゃん!」
「嫌ならちゃんと起きればいいでしょ。」
「なんでそうコドモなんだよ、八神さんは!」
「コドモで結構。」
彼の顔色が青くなったり赤くなったりと、コロコロ忙しなく変わっておかしい。
噴き出しそうになっていたら、思い切り腕を抓られた。
まあ、まず歯ブラシ常置のOKは下りたワケだ。
その次は衣類、 その次は学校の教材・・・?
一つ一つ増やしていって、小杉君本体を転がり込ませるには後どれだけの時間が掛かるのか。
我ながら気が長くなったものだ。 (学校卒業の方が早いような気もするし・・・)
取り合えず今は、生意気なことを言う彼の唇から可愛い声が零れてくるまで、吸いついて塞いでおくことにした。
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※小杉の 『せいいち呼び』 と、ほんのちょっとのイチャつきは、もう一本の番外の方で ^ ^;
翌朝、携帯のアラーム音で目が覚めた。
最近アラーム設定時刻の15分前に起きるのが定着しつつあった俺が、見事に寝過ごしたわけだ。
ふと隣を見遣ると、いつもなら確実に夢の中のはずの小杉君の目が開いていた。
「おはよ・・・ 目覚まし前に起きてたの?」
「気力で(?)起きてみた。 だって鼻摘まれるのヤだもん。」
「俺も起こしてくれればよかったのに・・・」
「なんとなく勿体無くて。 八神さんの寝顔見れるのなんて、滅多にないから・・・」
可愛気のあることを言いながら、俺に身体を摺り寄せて首筋に顔を埋める。
いつもは澄んでいる彼の声が、痛ましい程に掠れているのは寝起きの所為だけではなくて。
それがまた俺の罪悪感を刺激する。
「・・・怠くない?」
「怠いよ。 ムチャクチャだよ、八神さん・・・」
少し身体を起こし俺の顔を見下ろしながら、不貞腐れたように頬を膨らめた。 でも本気で非難しているわけではなく、瞳は揶揄いの色を帯びている。
俺は昨夜、彼の制止も聞かず、強引に寝室に引きずり込んで滅茶苦茶に彼を抱いた。
俺の様子がおかしかったのは彼もわかっている。 苛ついた感情に任せて彼を抱いたこともわかっていると思う。
それなのに彼はそれを咎めない。
彼の寛容さに俺は甘えてしまっている。 前野の苦言の本源は間違いなくそこだ。
「天罰かな。 俺も怠くて動けない。」
「動けない??八神さんが!? 珍しいーっ、天罰だ〜♪」
「てことで今夜は小杉君に頑張って貰わないと。」
「・・・そこでそのセクハラ発言かよ。 てか、俺も怠いんだっつーの!」
俺の胸を軽く叩き、唇を尖らせた愛らしい表情は、沈んでいた心持ちを浮上させてくれた。
『起きなきゃね』 と二人して繰り返しつつも、温もったこの場所から出ることを身体が拒否する。
添うように横たわっていた彼を腹上に引き上げ、ふっくら艶々の唇を食んだり吸ったりで遊ばせて貰い、擽ったそうに身を捩る彼の肌をしつこく撫で回し・・・と、情欲点火スレスレのじゃれ合いで和んで(?)いたのだけれど。
突然彼が俺から身体を浮かせ、この安らぎ(?)の真っ只中で一番思い出したくない人物の話をし出した。
「ああ、昨夜ね、階下で八神さんの悪友ですって人に遇った。 えーと、前野さんだったっけ?」
前野の忌々しく鬱陶しい顔が頭に浮かぶ。 不愉快で露骨に顔を顰めてしまったのは俺も些か大人気ない。
「・・・何か、言われた?」
「俺の顔見るなり 『もしかして君が小杉君!?』 って。 エントランスでだよ??
すっげーデッカい声でさぁ〜・・・、身体はおっきいし、迫力あってちょっと恐かったよ。」
確かに、あの大男に出会い頭で (しかもあの大声で) 話しかけられたら相当恐いだろう。
このマンションの住人は割と年齢層が高く、若い人間の出入りが稀だということは前野も知っている。
昨夜小杉君が部屋に来ることも知っていたから当てがついたのだろうが、無茶なことをするものだ。
今に通報されるぞ・・・ ではなくて。
「他は? 他には何か言われた?」
「んー・・・? んー、まぁ・・・」
「なに?」
「『我慢してやってねー』 って。」
「なにをだよ・・・」
「『デッカい子供の相手は大変だろうけど』 って。」
「相変わらず馬鹿なことを・・・」
「でも、結構当たってるかも?」
「そのデカい子供に啼かされちゃうんだよね、小杉君は。」
「発言はただのエロオヤジなのにねぇ〜・・・」
最近の俺の言動と感情の起伏の激しさは確かに少々子供染みている。
その自覚はある、が・・・
「アイツに言われると腹が立つんだよ・・・」
「え・・・?」
身体を反転させ小杉君をベッドに縫いつけてから、キョトンとしている彼の目を見据えて言い含めた。
「俺は、 気まぐれで君と付き合ってるワケじゃないから。 ペットだなんて思ってない。」
「あのヒトに・・・そう言われたの? それで怒ってたの?ケンカしちゃった??」
「俺の気まぐれに付き合わせるなって・・・ 叱られたよ。」
「八神さんを叱るなんてスゴイ人だよね。」
「前野だけじゃなくて、君も前に似たようなことを言ってただろう? だからかなりヘコんだんだ。
でも、 俺はほんとに、そんなつもりじゃないんだよ。 それだけはわかって欲しい。」
少々演技懸かった哀訴に微笑んで、彼は宥めるように俺の背中を撫でる。
睦言として軽く処理されても困るのだが、『情に訴えるなら閨房で』 は基本である。
そして今この場の雰囲気は悪くない。(朝だが) 俺は出せ得る限りの甘い声音で語を継いだ。
「俺はね、 君が好きなだけなんだよ」
「・・・うん。」
「俺を 信じてくれる?」
「うん。 信じるよ。」
「じゃあここに住む?」
「それはイヤ。」
おい。 この流れで言ったらそこは 『うん』 じゃないのか!?
一寸の迷いもナシかよ。 どうあってもそこはキッチリ線を引きたいワケか。 ・・・ああムカつく。
「そこで舌打ちしないでよ、もう・・・
ねえ、せめて俺がガッコ卒業して自立できるまで待ってよ。
気まぐれじゃないんならそのぐらい待てるでしょう??俺間違ってる?」
「間違ってない。」
「でしょ?」
「小杉君がオトナに見える。」
「成人してます、これでも。」
「知ってるよ。毎晩実演して貰ってます。」
「だーから、そこでそういうエロオヤジ発言はしなくていいのっ!」
くだらない発言で誤魔化しでもしないとバツが悪くて仕方ないんだ、とは受け取って貰えないものだろうか。
まったく・・・ 宥めても駄目、賺しても駄目、強硬手段も取れないのだから、もう俺には手がない・・・ かも?
「わかった。わかりました、負けました。 もう無理は言わないよ。」
「勝ち負けの話じゃないでしょうに・・・」
「ただ・・・」
「ん?」
「ハブラシ・・・ 歯ブラシ一本ぐらい部屋に置いておかない?
お泊まりセットとか毎日持ってこられると凄くヘコむんだけど。」
「はは、わかりました。置かせて貰います。 てか、細かいよ、八神さん。」
細かいは余計だ。 ああ、それとね、俺は ───・・・
負けたままでいるのが何よりも嫌いなんだよ、小杉君。
「あと・・・」
「まだなんかあるの!?」
「今度から、毎朝30分早く起こすからね。」
「ええーっ!?なんで!?」
「慌しいの嫌なんだよ。 いつもロクに会話もできないじゃないか。」
「なにそれ・・・ 新婚さんみたいなこと言わないでよ・・・
大体、夜に八神さんがさ、 話をする前に・・・・・・」
「する前に?」
「・・・・・・んー・・・まあ、それはどうでもいいけどさ。 で?起きれなかったらどうなんの、俺?」
「鼻摘むだけじゃ済まないよ。」
「・・・なにすんの?」
「逮捕監禁。 その日一日ベッドに縛り付けて何処にも行かせない。」
「犯罪じゃん!」
「嫌ならちゃんと起きればいいでしょ。」
「なんでそうコドモなんだよ、八神さんは!」
「コドモで結構。」
彼の顔色が青くなったり赤くなったりと、コロコロ忙しなく変わっておかしい。
噴き出しそうになっていたら、思い切り腕を抓られた。
まあ、まず歯ブラシ常置のOKは下りたワケだ。
その次は衣類、 その次は学校の教材・・・?
一つ一つ増やしていって、小杉君本体を転がり込ませるには後どれだけの時間が掛かるのか。
我ながら気が長くなったものだ。 (学校卒業の方が早いような気もするし・・・)
取り合えず今は、生意気なことを言う彼の唇から可愛い声が零れてくるまで、吸いついて塞いでおくことにした。
+++ end +++
珍しく魔王が折れたの♪ (一応ね)
てか、小杉は完全に遅刻だよ・・・
八神番外は一応ここでおしまいです。 お付き合いありがとうございました♪
前野視点のおまけ(ネザーランド〜直後の魔王と小杉の様子)の後、
もう一本番外があると思います。
そちらまでお付き合い頂ければ幸いです。 《染》
珍しく魔王が折れたの♪ (一応ね)
てか、小杉は完全に遅刻だよ・・・
八神番外は一応ここでおしまいです。 お付き合いありがとうございました♪
前野視点のおまけ(ネザーランド〜直後の魔王と小杉の様子)の後、
もう一本番外があると思います。
そちらまでお付き合い頂ければ幸いです。 《染》
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まあよかったよ、と思ってくださった方は
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※小杉の 『せいいち呼び』 と、ほんのちょっとのイチャつきは、もう一本の番外の方で ^ ^;



