味見番外 02
この回、あんまり必要ないんですが・・・ ^ ^;
「ユターーカーーー!!いらっしゃ〜い!」
ダリオさんはいつも、前野さんばりのデカ声で桂三○みたいなことを言いながらギュウギュウと俺を抱き締めてくる。 料理の味だけでなく、彼の陽気な人柄を気に入ってお店に通ってくるお客さんも多く (皆さん陽気 ^∀^)、こじんまりとした店内はいつも明るい笑い声で溢れているし、この歓迎も他のお客さんの食事の邪魔にはなってないからいいっちゃいいんだけど・・・。 やっぱり毎回引く。 そして・・・
「ダリオ」
八神さんの氷点下の声で、やっと俺は丸太のようなブッとい腕から解放される。
「コッワイネェ、セイイチ!」
普段流暢な日本語を喋るクセに、こういう時だけヘンな外国人に戻るダリオさん。 困った人だ・・・
「何度言えばわかるんだ、お前は。 そういうのは止めろ。」
「だってユタカが大きくなってるから〜、嬉しくてネ♪」
「俺、もう大人です・・・」
「知ってるヨぉ〜♪」
俺の頭をワシャワシャと掻き混ぜながら豪快に笑ったかと思うと、耳元に口を寄せて ──・・・
『オトナじゃなきゃセイイチの相手はつとまらないよネェ〜♪』 なんぞと囁く。
どうして八神さんの周りはセクハラオヤジばっかりなんだよ! (そりゃ本人がそうだから・・・)
「信っじらんない!」
とまあ、ここまでが一連の儀式のようなもので。 ほんと、毎回疲れる・・・
しかし、ダリオさんご自慢の料理が出てくるとそんな疲れも吹き飛んでいってしまう単純な俺。
今朝からずっとマグロが脳内大遊泳で授業なんか聞いてらんなかったし。
シチリアの伝統料理だというマグロ焼き (トンノ ピスタッキオ ← 本マグロのピスタチオ入りパン粉焼き) とカポナータ (イタリア版ラタトゥユ) を目の前に、とにかく俺は幸せ一杯であった。
「ユタカはいつも本当に美味しそうに食べてくれるから作り甲斐があるよ。」
「だってホントに美味いもん。」
オーダーが落ち着くとダリオさんは俺たちの席にやって来る。 俺が食べているところを八神さんと一緒にニコニコしながら眺めるのもいつものことだ。
「気持ちいいくらい豪快に食べてくれるしな。 その割に全然太らないけど。」
「そりゃ、セイイチの相手をしてるから太れないんダヨ〜♪」
「またそういうセクハラを・・・」
「セクハラ、チガーウ! ジジツ、ジジツ!」
「そういう時だけカタコトの日本語喋らないでよ。」
「だんだんユタカもキツくなってきたなぁ〜・・・」
なんて、ワインなんか飲みつつ、楽しくお喋り (でも八割方がエロトーク ^^;) していたワケであるが、 『大学の頃は・・・』 なんて昔話が出てきた時、思い出したようにダリオさんが言った。
「あ、そうそう、一昨日サトシが来てくれたヨ〜♪」
この一言で、それまで柔らかく笑っていた八神さんが急に真顔になった。 返す声音もいつもより数段低い。
「アイツは相変わらずだろう?」
「いやー、珍しく一人で来たよ。ちょっと暗かったネ。」
「へぇ、 ”暗かった” ねぇ・・・」
八神さんは一瞬意外そうに眉を上げたものの、直ぐに意地悪な顔になった。 彼がここまでハッキリと表情を変えるのが珍しくてジッと見つめてしまっていたのだけれど、ダリオさんはそれを誤解したらしい。
「ああユタカ、心配ない。 サトシもタチ。 セイイチとはなんでもない。」
「別にそんな心配してません!」
イタリア人が ”タチ” とか言わないでくれるかな・・・
「ああそう? サトシはイイ男だよ? なんてったって ”ポスト・セイイチ” だもんネ♪」
「・・・ポスト・八神さん??」
「そーそー。 並外れた節操ナシっぷりがセイイチの後を継げるのではと言われていて」
「ダーリオ! くだらないことは言わなくていい。」
「ああゴメン、ユタカ。 今のセイイチは節操ナシじゃないからネ! キニシナイ、キニシナイ!」
「だからしてませんて・・・」
まあ、全く気にならないワケじゃないけど (だってイタリア人に ”並外れた節操ナシ” って言われちゃうくらいだよ? どれだけなんだ、って思うじゃん?)、それよりも、俺は八神さんの意地悪顔の方が気になる。
男前がそういう顔をするとさ、ほんと極悪に見えるんだよね。 なんか企んでますってのがアリアリ。
八神さんの会社のSEさんがその ”サトシ” という人の会社の一部署に派遣されていて、その人とも一緒に仕事をしているらしい。 その件で何かあったのかもしれない、と八神さんは言っていたけどさ。 そもそも仕事の話を俺の前ですること自体が珍しいのだ。
「連絡してみる」
口の片端を上げて八神さんがニヤリと笑った。 あ、やっぱり絶対なんか裏がある。
後日、その ”サトシ” という人に、俺も会うことになるのだけれど・・・
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必要ない回があってもいいさ♪ と言って下さる心の広い方は

ポチッと押してやって下さい♪
【どうでもいい設定】
ダリオは在日12年、八神の大学時代のことも知っている。 35歳。
見た目はジ○ーラモさんを薄くした感じで、ノリもザ・イタリア人な感じ。
当たり前だがセクハラ好き (イタリア人がそうだとは言ってません ^^;)
「ユターーカーーー!!いらっしゃ〜い!」
ダリオさんはいつも、前野さんばりのデカ声で桂三○みたいなことを言いながらギュウギュウと俺を抱き締めてくる。 料理の味だけでなく、彼の陽気な人柄を気に入ってお店に通ってくるお客さんも多く (皆さん陽気 ^∀^)、こじんまりとした店内はいつも明るい笑い声で溢れているし、この歓迎も他のお客さんの食事の邪魔にはなってないからいいっちゃいいんだけど・・・。 やっぱり毎回引く。 そして・・・
「ダリオ」
八神さんの氷点下の声で、やっと俺は丸太のようなブッとい腕から解放される。
「コッワイネェ、セイイチ!」
普段流暢な日本語を喋るクセに、こういう時だけヘンな外国人に戻るダリオさん。 困った人だ・・・
「何度言えばわかるんだ、お前は。 そういうのは止めろ。」
「だってユタカが大きくなってるから〜、嬉しくてネ♪」
「俺、もう大人です・・・」
「知ってるヨぉ〜♪」
俺の頭をワシャワシャと掻き混ぜながら豪快に笑ったかと思うと、耳元に口を寄せて ──・・・
『オトナじゃなきゃセイイチの相手はつとまらないよネェ〜♪』 なんぞと囁く。
どうして八神さんの周りはセクハラオヤジばっかりなんだよ! (そりゃ本人がそうだから・・・)
「信っじらんない!」
とまあ、ここまでが一連の儀式のようなもので。 ほんと、毎回疲れる・・・
しかし、ダリオさんご自慢の料理が出てくるとそんな疲れも吹き飛んでいってしまう単純な俺。
今朝からずっとマグロが脳内大遊泳で授業なんか聞いてらんなかったし。
シチリアの伝統料理だというマグロ焼き (トンノ ピスタッキオ ← 本マグロのピスタチオ入りパン粉焼き) とカポナータ (イタリア版ラタトゥユ) を目の前に、とにかく俺は幸せ一杯であった。
「ユタカはいつも本当に美味しそうに食べてくれるから作り甲斐があるよ。」
「だってホントに美味いもん。」
オーダーが落ち着くとダリオさんは俺たちの席にやって来る。 俺が食べているところを八神さんと一緒にニコニコしながら眺めるのもいつものことだ。
「気持ちいいくらい豪快に食べてくれるしな。 その割に全然太らないけど。」
「そりゃ、セイイチの相手をしてるから太れないんダヨ〜♪」
「またそういうセクハラを・・・」
「セクハラ、チガーウ! ジジツ、ジジツ!」
「そういう時だけカタコトの日本語喋らないでよ。」
「だんだんユタカもキツくなってきたなぁ〜・・・」
なんて、ワインなんか飲みつつ、楽しくお喋り (でも八割方がエロトーク ^^;) していたワケであるが、 『大学の頃は・・・』 なんて昔話が出てきた時、思い出したようにダリオさんが言った。
「あ、そうそう、一昨日サトシが来てくれたヨ〜♪」
この一言で、それまで柔らかく笑っていた八神さんが急に真顔になった。 返す声音もいつもより数段低い。
「アイツは相変わらずだろう?」
「いやー、珍しく一人で来たよ。ちょっと暗かったネ。」
「へぇ、 ”暗かった” ねぇ・・・」
八神さんは一瞬意外そうに眉を上げたものの、直ぐに意地悪な顔になった。 彼がここまでハッキリと表情を変えるのが珍しくてジッと見つめてしまっていたのだけれど、ダリオさんはそれを誤解したらしい。
「ああユタカ、心配ない。 サトシもタチ。 セイイチとはなんでもない。」
「別にそんな心配してません!」
イタリア人が ”タチ” とか言わないでくれるかな・・・
「ああそう? サトシはイイ男だよ? なんてったって ”ポスト・セイイチ” だもんネ♪」
「・・・ポスト・八神さん??」
「そーそー。 並外れた節操ナシっぷりがセイイチの後を継げるのではと言われていて」
「ダーリオ! くだらないことは言わなくていい。」
「ああゴメン、ユタカ。 今のセイイチは節操ナシじゃないからネ! キニシナイ、キニシナイ!」
「だからしてませんて・・・」
まあ、全く気にならないワケじゃないけど (だってイタリア人に ”並外れた節操ナシ” って言われちゃうくらいだよ? どれだけなんだ、って思うじゃん?)、それよりも、俺は八神さんの意地悪顔の方が気になる。
男前がそういう顔をするとさ、ほんと極悪に見えるんだよね。 なんか企んでますってのがアリアリ。
八神さんの会社のSEさんがその ”サトシ” という人の会社の一部署に派遣されていて、その人とも一緒に仕事をしているらしい。 その件で何かあったのかもしれない、と八神さんは言っていたけどさ。 そもそも仕事の話を俺の前ですること自体が珍しいのだ。
「連絡してみる」
口の片端を上げて八神さんがニヤリと笑った。 あ、やっぱり絶対なんか裏がある。
後日、その ”サトシ” という人に、俺も会うことになるのだけれど・・・
(続く)
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必要ない回があってもいいさ♪ と言って下さる心の広い方は
ポチッと押してやって下さい♪
【どうでもいい設定】
ダリオは在日12年、八神の大学時代のことも知っている。 35歳。
見た目はジ○ーラモさんを薄くした感じで、ノリもザ・イタリア人な感じ。
当たり前だがセクハラ好き (イタリア人がそうだとは言ってません ^^;)



